前回の続きですが、逆説から入ります。前回のは取引価格が時価の半分未満だった場合ですよね?それでは50%だったらどうでしょう?つまり時価が100円のとき、取引価格51円のときです。
結果はNGになる可能性は強いです。
実務的には特別の事情がない限り、時価のおおむね2分の1に満たない価額をもって著しく低額と判定するとされているだけで、それがすべての指標ではないのです。
上場株式や社債など市場価格のある資産の譲渡については該当しませんが、不動産や骨董品等は、市場が存在せず、相対取引になる関係上、時価には上下のブレが生じることは明らかです。
そこで時価を算定するモノサシとして土地でいえば相続税評価、不動産鑑定評価や固定資産税評価などが台頭するわけです。それぞれ評価額は同じに出ることはまずなく、そのブレとして上下2割程度と考えられています。
そんなことですから、土地の時価についてはいずれかの評価結果を参照にしながらその上下2割程度から外れると「おや?」と思われるんです。
ですから実務レベルとして、評価額の8割程度を最終ラインと考えたほうがよさそうで。
つまり時価1000万円の土地を800万円で譲渡したとしてもなんとなく理解できる範囲ですが、5億の土地を4億で譲渡したとなるとどうでしょう?
おそらく指摘受けるでしょうね。そうなると時価→低額の垣根はグレーになってしまいますよね。
ある国税庁OBの話ですと、念を入れたければ不動産鑑定評価を2ヶ所とってその範囲内での取引とするとまず問題ないといいます。この意見は私も一緒です。
このはなし、面白くないですか?課税の判断のラインが采配なんですよ。日本的慣習ですよね。